森林の土壌は植物が腐蝕・堆積して多数の土中生物のすみかになりますし、多くの水も貯えます。そして管理された森林は山崩れ・土砂流出・洪水を防止するはたらきもあります。
森の土壌
樹木には落とした葉・枝をが腐植して肥料になる自己施肥機能があります。この腐植土が堆積して森林の土壌が形成されます。
山の尾根では栄養が乏しく谷では栄養に富んだ土壌になりやすく、植栽は「尾根マツ、谷スギ、中ヒノキ」が適していると言われます。
山崩れ防止
樹木の根が基岩層まで達すると、表層の山崩れ(表層崩壊)が起こりにくくなります。基盤まで届く樹種を選び適切に管理すると山崩れ防止に効果があります。但し深層崩壊の防止はできません。
土砂流出防止
森林は落葉・腐葉等が雨滴の衝撃を吸収し、地表の侵食が少なく土砂の流出が少ないです。密植したまま放置された針葉樹林は下層植物が育たず、裸地化して多くの土砂が流出してしまいます。
【出典・参考】
左図:[こども森林ひろば(しらべもの)](国土緑化推進機構)より / 右写真:「かながわ水源の森林づくり」パンフレット(神奈川県)より
左図:[こども森林ひろば(しらべもの)](国土緑化推進機構)より / 右写真:「かながわ水源の森林づくり」パンフレット(神奈川県)より
土壌の酸性化と立ち枯れ
化石燃料の大気汚染物質(硫黄酸化物)は水と反応して硫酸になります。
雨や風で樹木に付着して落下した硫酸が周辺土壌を酸性にします。
酸性土壌は成長阻害や病虫抵抗力の低下を起こし、虫も入り立ち枯れると言われています。
酸性化した土壌を中性化するには炭を撒くのが有効とも言われます。