森のタイプ別の手入れ

森林にはタイプ(目標林型)があり、森林の手入れ方法もそのタイプにより異なります。森林調査後、森林タイプを決めて手入れの計画を作り、関係者の同意を得て手入れを進めます。森林タイプと手入れ方法は多数ありますが、その一例を紹介します。

広葉樹林

森林タイプ
(目標林型)
森林の特徴 手入れのポイント
(間伐等)
代表的樹種 森林イメージ
(平地林も同様)
林地保全林 土砂の流出を防ぎ、豊かな自然植生を回復させて、多くの生物が生活できる森林 多種類の樹木構成になるように留意。受光伐で林床植生を増加
1500本/ha
主伐時期:さまざま
<広葉樹>
スダジイ
タブノキ
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傾斜防災林 木々の根がしっかりと張り、土や石を抱えて山崩れを防ぎ、人々の生活を守ってくれる森林 常緑樹や深根性の樹木を残し、浅根性の樹木は伐採
800本/ha
主伐時期:さまざま
<広葉樹>
ヤブツバキ
アラカシ
ケヤキ
14-2
修景景観林 人々の心にやすらぎをもたらし、見る人の心をなごませてくれる森林 樹形の良い木や風致木を残し、見通しの良い状態にする
300本/ha
主伐時期:さまざま
<広葉樹>
サクラ類
カエデ類
クサギ
コナラ
クヌギ
14-3
公園林 自然体験の場、楽しい遊び場などに利用でき、人々の暮らしとの関わりを学べる森林 ランドマーク用の木を中心に施業し、思い切って伐採整理
300→100本/ha(2段階)
主伐時期:なし
<広葉樹>
イヌシデ
ケヤキ
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きのこ/薪炭
生産林
きのこや薪や炭の原木が採れる森林 萌芽株の本数整理して原木以外の樹種は伐採
2500本/ha
主伐時期:10~20年(短伐期)
<広葉樹>
コナラ
ミズキ
14-5
木工材生産林 木工用の原木が採れる森林 不用木を伐採、または有用木を利用のため収穫
800本/ha
主伐時期:40~50年(中伐期)
<広葉樹>
ミズキ
イヌエンジュ
マユミ
家具材生産林 家具用・建築装飾用の原木が採れる森林 形質の良い主木以外は5mで切る。被圧木はそのまま生育
植栽:5000~10000本/ha
1回目間伐:15年→300本/ha
10~15年間隔で間伐・収穫
主伐時期:100年(長伐期)
<広葉樹>
コナラ
クヌギ
ケヤキ
ホオノキ

【関連情報】1ha(ヘクタール):100m×100m  1a(アール):10m×10m

針広混交林

森林タイプ
(目標林型)
森林の特徴 手入れのポイント
(間伐等)
代表的樹種 森林イメージ
(平地林も同様)
針広混交林 人工針葉樹林に天然広葉樹を誘導して、多面的な機能を発揮させる森林 植林された針葉樹林に強めの間伐をして、樹間に天然の広葉樹を生育
1回目間伐:40~50%
6~8年後:50~80本/ha
<針葉樹>
スギ
ヒノキ
<広葉樹>
(天然樹種)
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針葉樹林

森林タイプ
(目標林型)
森林の特徴 手入れのポイント
(間伐等)
代表的樹種 森林イメージ
(平地林も同様)
針葉樹林 建築用柱・梁等の原木が採れる森林 樹木の形質や間隔を考慮して間伐
植栽(標準):3000本/ha
下刈り、つる切り、除伐、枝打ち
10~15年間隔で間伐(30~35%)
主伐時期(短期伐):40~50年
<針葉樹>
スギ
ヒノキ
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【関連情報】神奈川県では水源林の整備方法を決めています。

<神奈川県の目標林型>
人工林     ・単層林   ・複層林  ・混交林   ・巨木林
広葉樹林  ・広葉樹林

竹林

森林タイプ
(目標林型)
森林の特徴 手入れのポイント
(間伐等)
代表的樹種 森林イメージ
(平地林も同様)
竹林 竹を有効利用するために整備された竹林 立地条件・種類・用途・直径により、適切な立竹本数を残存
モウソウチク(径10cm):60本/a(標準)
マダケ(径6cm):60本/a(標準)
モウソウチク
マダケ
ハチク
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