マガモの潜水

先日、近隣の公園の池で何気なくマガモを見ていました。すると、チャポンと潜水しました。1度ではなく、何度も何度も繰り返していました。

マガモ(オス)

勢いよく潜ります

体は完全に水中へ

カモの中でも、潜水が得意なグループ(魚介類を主食とするもの)と、マガモの仲間のようにあまり潜水をしないグループ(雑食性で、主に水草や藻類などを食べるもの)がいます。マガモの仲間も、まったく潜水をしないわけではないのですが、地上を歩いたり、水面の食物を食べることが多く、特に水面ではこのように逆立ちして食べているところをよく見ます。この日も、何度か潜水した後にこのように逆立ち採食をずっとしていました。

逆立ち採食

盛んに潜水していたのでビデオでも記録しておこうと録り始めたら、この時は23秒ほど潜っていました。残念ながらちょっと離れた場所へ浮上したので、一部始終を記録、というわけにはいきませんでしたが・・

マガモの仲間の潜水はだいたい5秒前後のことが多く、この日もだいたいそれくらいの潜水を繰り返していました。ちょうどビデオで録画している時だけ長々と潜っていたので、カメラを意識して(警戒して?)いつもより長めに潜っていたのかもしれません。
(生物担当学芸員)

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本日(1月4日)から通常開館です!

新年明けましておめでとうございます。
昨年12月28日から年末年始休館となっていた相模原市立博物館は本日、1月4日から開館します。自然・歴史展示室のほか、リニューアル工事中のプラネタリウムに代り、ミニプラネタリウムを無料で観覧できます。投影時間など詳しくはこちらをご覧ください。
さて、休館中、閑散とした博物館周辺でしたが、ちょっと賑やかだった場所もあります。それは、入口のアプローチ脇に設置したバードバス(野鳥の水浴び場)です。開館時間中は来館者の出入りがあり、落ち着いて水浴びをすることができません。でも休館中は落ち着いて水浴びできるようです。

水浴びをするメジロ(館内から撮影)

水浴びは羽毛を清潔に保つために必須の行動なのですが、このところまとまった雨がまったく降っていないため、水浴びできる場所があまりないのでしょう。センサーカメラがメジロの他、ヒヨドリやシジュウカラ、エナガなどが頻繁に訪れる様子をとらえていました。
下はメジロの群が水浴びする様子です。

エナガの群も大騒ぎしながら水浴びをしています。

博物館は4日、5日と開館し、6日は月曜日なので休館となります。
2025年は当館の開館30周年となり、プラネタリウムのリニューアルはじめ大きなイベントがたくさん控えています。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
(生物担当学芸員)

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本日(12月28日)から年末年始休館となります

相模原市立博物館は本日、12月28日から来年1月3日まで年末年始休館となります。
しかし職員は出勤し、館内のメンテナンスや年明けの開館に向けた準備などを行っています。今回は今年最後のブログということで、博物館周辺の植物の状況について紹介します。
今年は夏が長く、9月から11月にかけて気温の高い日が多かったせいか、紅葉も少し遅めでした。その影響か、お隣の樹林地ではいまだにモミジの仲間が葉をつけたままです。

年末なのに紅葉が残るタカオカエデ(イロハモミジ)

モミジだけでなく、コナラも一部の株は紅葉したままの葉が残っています。

同じく葉がついたままのコナラ

一方で、12月に入ると果実が赤く実るアオキは、まだ色づく気配もありません。

青々としたアオキの果実

そんな写真を撮っていたら、コジュケイに出会いました。

コジュケイ

じつはここ数年、お隣の樹林地からコジュケイの「チョットコイ、チョットコイ」の鳴き声が聞かれなくなっていました。アライグマが頻繁に現れるようになり、いつも地上にいるコジュケイが餌食になってしまったかな、と思っていましたが、今年に入ってから鳴き声も復活していました。
コジュケイは大正時代に狩猟鳥として朝鮮半島から移入された外来種です。しかし、定着してからの時間も長く、すっかり日本の森に馴染んでいます。再び見られるようになり、なんとなくホッとしたような気持ちになります。
今年もこのブログでさまざまな情報や学芸員の日々の活動などをお伝えしてきました。来年もまた楽しんで読んでいただけるよう、素材集めをがんばろうと思います。
(生物担当学芸員)

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12月28日(土)~1月3日(金)まで休館となります

相模原市立博物館は本日12月27日が、2024年最後の開館日です。12月28日(土)~1月3日(金)まで年末年始休館となります。
お知らせがてら、冬らしい話題を・・。博物館の敷地や周辺の樹林地には様々な樹木が生えています。その中で、冬に葉を落とす落葉樹には、葉の落ちた痕(葉痕:ようこん)や、来春の芽吹きに備えた休眠芽(冬芽)があります。それが、なんとなく顔に見えたり、動物に見えたり・・まずは、サンショウです。

サンショウの冬芽(中央上)と葉痕(中央下)

何に見えるかはご覧になっているみなさんに委ねます。こちらはガマズミです。

ガマズミ

さらに、ヒメコウゾ。

ヒメコウゾ

こちらはヤブムラサキです。

ヤブムラサキ

いかがでしょうか。特に何に見えるというわけではありませんが、早春を象徴するコブシも、モコモコの冬芽を付けています。大切な新芽を守るため、毛皮のコートを羽織っているのです。

コブシ(葉芽)

同じくコブシですが、上の写真は葉の芽、下の写真は花の芽です。

コブシ(花芽)

身近な樹木の冬の表情は、身近な樹木でも必ず見ることができます。ゆっくりお散歩しながら枝を見つめてみてはいかがでしょうか。
(生物担当学芸員)

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【開催中!】市史ミニ展示 相模原市誕生から70年、あの頃の風景と世相

【年末年始休館のお知らせ】相模原市立博物館は12/28(土)~1/3(金)まで休館となります。

現在、当館の自然・歴史展示室内で市史ミニ展示を行っています。

今年度が市制施行70周年であることから、今回は70年前の風景、世相をテーマとしました。70年前の風景を写真パネルで紹介しつつ、当館に所蔵されている鈴木重光(しげみつ)コレクションから展示資料を選定しています。

鈴木重光(1887~1967)は旧津久井郡内郷村に生まれた民俗学者・郷土史家です。
民俗学者の柳田国男とも親交が深く、多くの著作を残しています。
当館では鈴木重光が集めた資料約8万点を収蔵しています。

展示風景

橋本駅に到着するSL1956(昭和31)年

三越の特売会の案内

この展示は、自然・歴史展示室内にて2月2日まで開催しています。
年始のご来館の際にはぜひご覧ください。
(展示担当学芸員)

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クズクビボソハムシ

【年末年始休館のお知らせ】相模原市立博物館は12/28(土)~1/3(金)まで休館となります。

もう2週間ほど経ってしまったのですが、市内の幹線道路沿いで、ボロボロになった植物を見つけました。

道路沿いに…

どこにでもある植物のクズですが、葉っぱがボロボロになっているのです。
普通の葉っぱと比べると一目瞭然です。

ボロボロの葉っぱ

普通の葉っぱ

これは、外来種のクズクビボソハムシという昆虫の食べあとです。
葉っぱをめくると…いました。

寒そうにじっとしています

この虫はコウチュウ目のハムシ科というグループに属しています。ハムシ=葉虫の名のとおり、植物の葉を食べ、なかでもこの種はクズのみを食べます。
実はこの虫は、ここのところ分布が拡大傾向にあるといわれています。
同じ市内でも館の周辺のクズの葉にはまだ食べあとがないので、市内にもこの虫がいるところといないところがあるようです。
この虫がいるところでは、クズの葉が冒頭の写真のように見るも無残な姿に食べられてしまいます。そのため、この虫がいるかいないかはすぐにわかります。
ぜひお近くのクズの葉をチェックしてみてください。
(動物担当学芸員)

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小さな鳥、大きな鳥

【年末年始休館のお知らせ】相模原市立博物館は12/28(土)~1/3(金)まで休館となります。

真冬らしい天候が続いています。早いものでもう年末。相模原市立博物館の今年の開館も、今日(12月26日)を含めてあと2日となりました。博物館周辺でも冬鳥がやってきています。中でも、国内最小クラスの鳥が冬越しをします。こちらはミソサザイです。

ミソサザイ(市外で撮影)

基本的にやぶの中で生活するため、めったに明るい場所へ出ません。上の写真はたまたま開けた場所へ出てきたところですが、すぐにまたヤブの中へ潜っていきました。
こちらも図鑑などで国内最小と書かれることの多い、キクイタダキです。込み入った枝の中を動き回るので、なかなか撮影できない鳥でもあります。

キクイタダキ(市外で撮影)

鳥というより、セミのような大きめの虫が動き回っているようにも見えます。キクイタダキは、年によって市内で多く見られる年と、ほとんど目にしない年があります、今年はどうでしょうか。
小さな鳥ばかりではありません、冬は大きな鳥もやってきます。こちらはコハクチョウです。

コハクチョウ(2013年に市内緑区の相模川で撮影)

数年に1度程度、市内の相模川へもやってきますが、定期的な越冬地は県内にはありません。大きい上に純白なので、飛んだ時などとても大きく見えます。
そしてこちらはとても珍しい飛来記録になりますが、2017年に市内緑区へ飛来したナベヅル(若鳥)です。

ナベヅル(2017年に市内緑区で撮影)

この時は約3か月間にわたって滞在し、大きな話題になりました。
他にも、西日本で野生復帰したコウノトリが飛来することもあり、冬場は特にこうした大きな鳥の飛来が期待できます。今年はどんな冬鳥の話題が持ちあがるのか、楽しみに待ちたいと思います。
(生物担当学芸員)

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【甲州道中歴史講座】第3回「建築史からみた本陣建物」を開催しました。

12月22日(日)、甲州道中歴史講座第3回「建築史からみた本陣建物」を開催しました。本講座は、江戸時代に徳川幕府のもと整備された五街道の一つ・甲州道中において、各都県で唯一の現存本陣建物を有する相模原市と日野市の共催により実施しているものです。連携事業では本講座のほか、日野市立新選組のふるさと歴史館の特別展「甲州道中日野宿と本陣」(令和7年1月26日(日)まで)を開催していますので、いずれもお楽しみいただければと思います。

相模原市×日野市 甲州道中本陣連携事業

第3回目となる甲州道中歴史講座は「建築史からみた本陣建物」と題し、東京工芸大学教授で本市の文化財保護審議委員でもある海老澤模奈人(えびさわ もなど)先生を講師にお招きしました。各市の宿場と本陣に注目した第1回第2回からテーマがガラっと変わり、今回は建築史や建物の類型(building type)の視座に立ったお話です。

講師を務めてくださった海老澤先生

郷土史がメインの前回までよりも専門性が高い内容ではありましたが、導入として本陣や五街道と甲州道中の定義、文化財としての本陣建物、日本における代表的な住宅形式の紹介があり、とてもわかりやすく解説いただきました。

講座の後半では、平面図の構成や屋根(建物)の構造による分類研究、空間の使途などの視点から、小原宿本陣・日野宿本陣についてお話しいただきました。海老澤先生が実際に両本陣を訪ねて撮影された多くの写真を用いた丁寧な解説に、参加された皆さまもじっくりと聴き入っている様子でした。

たくさんの方にお越しいただきました!

今回は年の瀬の開催にもかかわらず、50名以上の方にお越しいただきました。ありがたいことに、前回から引き続きご参加いただいた方や、当館歴史担当学芸員が講師派遣の際にお知らせしたことで興味を持ち、このたびお越しくださった方もいらっしゃいました。たくさんの方が甲州道中を主とした地域の歴史に関心を寄せてくださり、大変嬉しく思います。

本年10月から連続講演会形式で行ってきた甲州道中歴史講座は、令和7年1月19日(日)に開催する次回で最後となります。第4回目は「江戸幕府の五街道政策と甲州道中」のテーマで、講師に国文学研究資料館のプロジェクト研究員 菅原 一(すがはら はじめ)さんをお迎えします。最終回もぜひお越しいただきたいと思います。

(歴史担当学芸員)

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鈍色の鳥

12月18日、博物館お隣の樹林地を歩いていたら、クロジのオスに出会いました。

クロジ(オス)

クロジは、博物館周辺では冬鳥です。かつては丹沢の高標高地で繁殖していましたが、近年は繁殖数が激減しています。クロジが繁殖地として好むのは、下草がササ(スズダケなど)に覆われたブナ林のような樹林地です。繁殖数の減少は、シカの増加によりササ群落が衰退するなどしたことが原因とされています。
さて、そんなクロジですが、冬鳥としては安定して見られます。ただ、常にヤブの中を潜伏して暮らしているため、なかなかその姿をはっきりと見る機会がありません。この時は近くの水場へやってくる途中だったのか、しっかり姿を見せてくれました。

クロジ(オス)

この色、他の鳥にはなかなか無い色合いです。色名としては鈍色(にびいろ)でしょうか。とても渋みのある美しさですね。ちなみにメスや幼鳥にはこの色はありません。
ヤブの中で暮らしていてあまり見る機会の無い鳥といえば、こちらも出てきてくれました。ウグイスです。

ウグイス

水浴びをした直後なのか、羽を膨らませてちょっとリラックスした雰囲気でした。こちらの羽色は、まさしく鶯色(うぐいすいろ)です。鶯色というと、緑がかった色と誤解されがちですが、日本の伝統色の鶯色は、ちゃんとウグイスそのものの灰褐色です。その誤解についてはまた機会を改めて紹介したいと思います。
(生物担当学芸員)

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「自然の素材でクリスマスリースをつくろう!」を実施しました!

12月14日、生ききものミニサロンを実施しました。12月のテーマは毎年の恒例、「自然の素材でクリスマスリースをつくろう」です。リースの台となるクズのつるは、博物館お隣の樹林地内から採集し、デコレーションの素材は相模原植物調査会のみなさんが市内各地から集めてきてくれたものです。

相模原植物調査会のみなさんが集めてくれたデコレーション素材

まず、台のつくり方を説明します。

クズのつるを丸めて組んでいきます

台ができたら、好きな素材をデコレーションしていきます。

デコレーション開始!

思い思いに作っていただいたので、みなさんそれぞれ個性があります。

豪華!

姉妹で参加してくれました!

それぞれのこだわりが光ります

リピーターさん同士で記念写真。

手慣れた手つきでつくってくれました

毎年参加してくれる方も多く、わいわい楽しく作り上げました。

自然に溶け込むリースです

次回の生きものミニサロンは、1月18日(土)に実施します。お楽しみに!
(生物担当学芸員)

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