博物館お隣の樹林地では蝉時雨がピークとなっています。アブラゼミ、ミンミンゼミ、ツクツクボウシ。たまにクマゼミ。朝夕、ほかのセミが鳴かないタイミングを狙いすましたかのようにヒグラシ。
地面を見ると、なるほど、セミの幼虫が這い出してきた穴が無数にあいています。
こちらはアズマモグラの穴。同じようなシチュエーションですが、さすがに大きいですね。
さて、ぬけがらも木の枝葉や遊歩道のロープなどにたくさんぶら下がっていますが、そのほとんどはアブラゼミです。たまに細身で色の薄いツクツクボウシも。
ヒグラシと似ていますが、より色が薄いので肉眼でもわかります。
オスの成虫が近くでジワジワ鳴いていました。完全な保護色でわかりにくい写真ですが・・。
ぬけがらでは意外と識別しにくいのが、アブラゼミとミンミンゼミです。大きくて茶色いぬけがらを「アブラゼミばっかり」とよく見ずにいると、結構ミンミンゼミが混じっています。
識別ポイントでわかりやすいのは、触覚です。まずはアブラゼミ。毛が多くて、7節あるうち付け根から3番目が長めです。
ミンミンゼミはこちら。毛が少なめで付け根から3番目の長さは前後の節と変わりません。
横に並べてみると、右のアブラゼミの方が色が濃いのがわかります。ミンミンゼミはちょっと白味が入っています。慣れると肉眼でもなんとなくわかりますが、個体差も大きいのでやっぱり触覚を拡大してみないと決め手が出せません。
夜8時前後に歩けば、羽化中のセミも観察できます。
成虫で生きられるのは1週間ちょっとです。セミたちのラストスパートをじっくり見届けてみませんか!
(生物担当学芸員 秋山)