このところ、毒を持った外来生物が話題になることが多く、ヒアリやセアカゴケグモなどのニュースが毎週のように流れています。しかし、当然ながら毒を持つのは外来生物の専売特許ではありません。在来の野生動物にも有毒のものがたくさんいます。
その一つの巣がこちらです。
ススキの葉がきれいに折り曲げられてちまき状になっているのをよく見ます。これを注意深く開くと、中にいるのはこんなクモです。
カバキコマチグモは気性が荒く、特に産卵期は、うかつにこのちまきを開くと噛みついてきます。クモのなかまのほとんどは、捕食する昆虫などを麻痺させるために多かれ少なかれ、毒を持っています。その中で、人間にも効く毒を持ち、攻撃性があり、さらに言えば牙が大きくて人間の皮膚を通るものが「毒グモ」ということになります。
カバキコマチグモの毒はかなり強くて、噛まれると激痛が走り、症状が数日続きます。稀にショック症状を起こすことがあります。
外来毒グモとして知られるようになったゴケグモのなかまよりも、身近に広く分布している点で危険性は高いと言えます。咬傷被害は夏に集中するので、これからの時期は注意が必要です。