冬芽登場!

落葉樹の葉の紅葉も終盤となり、葉の落ちた枝が目立ってきました。
そうすると、ひっそりと姿を現すのが、冬芽です。こちらは、ガマズミの冬芽です。両側に出ていた葉の片側だけ落ちています。

ガマズミの冬芽

毛に覆われた芽鱗(がりん:芽を保護するカバーの役割を持つ部分)に、冬を乗り切る決意のようなものを感じます。
こちらはムラサキシキブです。葉はすっかり落ちています。来春展開する葉がそのまま圧縮されたような冬芽です。

ムラサキシキブの冬芽

このように芽鱗に包まれていない冬芽を裸芽(らが)と呼びます。
こちらはどっしり貫禄あるニワトコの冬芽です。この中に、大きな葉と、春真っ先に咲く花も入っています。

ニワトコの冬芽

葉の芽と花の芽が別々なのは、コブシです。こちらは葉の冬芽。

コブシの冬芽(葉)

こちらが花の冬芽です。毛皮のコートのような芽鱗に包まれています。春先に白い大きな花を咲かせるので、冬芽も大きいですね。

コブシの冬芽(花)

まだまだ冬芽には譲れないと、黄葉した葉を付けているのはサンショウです。

サンショウの葉の黄葉

冬芽は、じつは冬だけ見られるものではありません。植物学の用語では休眠芽といって、春に葉が展開するとすぐにその予備として休眠芽が形成されます。春から夏でも、強風や虫害などで葉が失われると、休眠芽が覚醒して次の葉を伸ばすしくみです。
でもやっぱり、花や果実の少ないこともあり、これからの季節は冬芽が植物観察の主役の一つです。

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