11月7日から掘り始めた津久井城跡の今年の調査も、12月7日に埋め戻して完了しました。この間、11月25日には、公園の一大イベント、収穫感謝祭にて現地説明会を開催し、大勢の方々にご覧いただけました。
見学者の中には、怪しげな武者も・・・。ご参加ありがとうございます。
この調査は、「津久井城市民調査グループ」というボランティア団体との市民協働で行っています。皆さん、日頃の講習会、研修会の成果を存分に発揮してくれました。
遺構を検出したら、写真を撮ったり、図面をとって記録を作成します。
市民調査員の方々は、1ヶ月間で延116人もご参加いただき、よい調査ができました。皆さん、大変ありがとうございました。
さて、県立津久井湖城山公園内の「里山広場」での発掘調査は、平成24年度から始めてもう7年目。この場所で調査を長年継続している理由は、城域の外れで池を伴う庭園跡が発見されたからです。正に思いもよらないところから、予想外の遺構が発見された状況です。小田原北条氏の城館で、中枢の屋敷跡に伴う庭園遺構の発見は近年増えてきていますが、庭園に特化した平場の空間(曲輪 くるわ)、庭園のためにつくられた曲輪は例がありません。こうした城としての軍事施設とは関係ない曲輪を、里山ならぬ「山里曲輪」といいます。その起源は、織田信長の岐阜城や安土城に端を発しているといわれ、実際、岐阜城では庭園の曲輪が発掘調査されています。今年の調査では、庭園を観賞するための建物跡の検出までには至りませんでしたが、建物に伴うと思われる砂利敷遺構の発見や、かわらけや鉄釘などの出土もあり、一歩近づいた感じです。
今年度までの調査成果は、来年3月16日から開催を予定している考古企画展にて、速報展示する予定です。乞うご期待。
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