『神奈川県植物誌2018』が完成!

神奈川県は、生物相(ある地域の生物リストやその生息状況)が、全国の都道府県の中で最もしっかり把握されているという自負があります。それは植物、鳥類、昆虫類、菌類など、さまざまな分類群ごとにそうした生物相(生物誌)が作られて、なおかつ更新されているからです。
その柱の一つ、『神奈川県植物誌』(神奈川県植物誌調査会編)の最新版である2018年版がこのたび完成しました!

『神奈川県植物誌2018』(神奈川県植物誌調査会編)

上下2分冊、総ページ数1800ページ以上!ずっしり重いこの本には、神奈川県に生育する維管束植物の過去から現在に至る生育の記録が、分類の根拠となる記述や図と合わせて掲載されています。調査も執筆も、神奈川県植物誌調査会会員である、アマチュアの植物愛好家と博物館学芸員や大学の研究者がタッグを組んで行いました。

『神奈川県植物誌2018』の中身

当館の生物担当学芸員や、相模原植物調査会会員も執筆陣に名を連ねていますが、何より記載の根拠となる植物相調査(現地調査)には、相模原植物調査会のみなさんが大きく貢献されています。前回刊行の2001年版以降、2017年までに採集された植物標本は、当館収蔵分だけでも35000点以上に及びます。
1988年版、2001年版に続く最新版の『神奈川県植物誌2018』。全国的にもこれだけの規模で植物相調査が継続的、組織的に行われている例はありません。

歴代の『神奈川県植物誌』左から1988年版、2001年版、2018年版

この植物誌は、生物多様性の基礎情報として全国、いや、世界に誇れる成果なのです!

※『神奈川県植物誌2018』は年明けの1月以降、博物館2階の市民研究室で閲覧可能となります。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 タグ: , , パーマリンク