博物館で飼育しているカイコは6月8日現在、多くが3齢から眠(みん=脱皮前の休眠期間)に入りました。明日までには多くのカイコが4齢になっているでしょう。
でも、これくらいになってくると少し成長もばらついていて、すでに4齢に脱皮しているカイコもいます。
頭が大きいですね。これは相対的なもので、2日もすると頭が小さく見えるくらいに体(胸部と腹部)が大きく成長します。
下の写真は左が4齢に脱皮直後、右が3齢の眠のカイコで、もう頭部は抜けかかり、新しい頭が見えています。
さて、博物館では希望する学校へ蚕種(さんしゅ=カイコの卵)を配布していますが、学芸員が出張授業へ行くことを配布の条件にしています。それは、ペットのようなつもりで飼ってしまうと、繭を収穫するという農業としての目的を忘れがちになってしまうためです。それをしっかり理解してもらうための授業をします。今週は5校の3年生に対して授業を行いました。
はじめ、普段と違う先生が前に立っているので落ち着かない児童のみなさんも、カイコを飼うのは、人間が生きていくための「衣食住」に関わる農業であることや、繭の中身の蛹(さなぎ)の命について考える話題になると、目が真剣になってきます。
これからカイコを飼いながら、たくさんの発見やハテナを感じていって欲しいですね。
そして、6月7日は上溝南高校でホタル観察会(同校地域連携委員会主催)のお手伝いをしてきました。
学校で、生物多様性から考えるホタルについての講義をして、そのあと、田名の相模川沿いの水田地帯でゲンジボタルを観察しました。
計数カウンターを持ってもらい、数をかぞえながらの観察です。この日はちょっと少なめだったものの、だいたい80頭前後のホタルが光っていました。若い人たちが見守ってくれるだけでも、ホタルの保全には大きな力になります。夜の校外活動に尽力いただいている先生方にも頭が下がります。これからもこうした活動が続いてほしいと心から思いました。