先週、博物館お隣の樹林地で、鳥類標識調査を実施しました。これは、標識調査の資格を持った人(バンダー)がカスミ網で野鳥を捕獲し、足環(あしわ)を付けて放鳥するものです。その足環が今後、どこかで回収されると、その野鳥の移動や生きた年月が明らかになるもので、環境省が山階鳥類研究所に委託して行う専門的な調査です。
その調査の中で、こんな鳥が捕獲されました。ソウシチョウです。
とても美しい鳥ですが、じつはこの鳥は外来種。しかも、在来の生態系に大きな影響を及ぼす可能性があることから、法律で特定外来生物に指定されています。
ちょうど同じタイミングで、もう1種類の特定外来生物も捕獲されました。
右がガビチョウです。どちらも飼育されていたものが逃げたか、あるいは意図的に放されたと考えられています。
特定外来生物といっても、彼らに悪意があってこの樹林にいるわけではありません。人間の身勝手な行為によって、本来の生息地ではない場所で生きていかざるをえないのです。
間近で見ていると、私たち人間の業というか、罪というか、そんなものを突きつけられている気分になりました。