3月5日は、二十四節季のひとつ「啓蟄(けいちつ)」です。
啓蟄とは、土の中で冬ごもりしていた生き物が目覚める頃のことです。
いよいよ春らしさを実感できる季節になってきましたね。
今年はちょうど啓蟄の頃(6日)、太陽のそばにあって見えづらかった水星が、
わずかですが高度を上げ、普段より見やすくなる
「西方最大離角(地球から見て内惑星が太陽の西側に最も離れるとき)」となります。
ぜひ、この日の前後の日の出前に、南東の方角が開けていて、
高い建物がないところで水星を探してみてください。
またこの頃は、水星のそばに木星と土星も見えています。
さらに10日から11日にかけては、細い月も加わり、
明け方の南東の空がとても賑やかです。
ご覧になるときは、くれぐれも太陽を直接見ないように注意してくださいね。
これから活躍が期待される探査機についてもご紹介しましょう。
現在、水星には、水星磁気圏探査機「みお」が向かっています。
「みお」は、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した探査機です。
2018年10月20日に打ち上げられました。昨年4月10日に1回目の地球スイングバイ、
10月15日には、2回目の金星スイングバイが行われ、
惑星の重力を利用して軌道と速度を変えました。
今後「みお」は、金星で1回、水星では6回もスイングバイ(※)を行う予定です。
(※)天体の引力を利用して探査機の軌道制御や加速/減速を行うこと
2025年12月に水星を周回する軌道に到着した後は、
水星の磁場や磁気圏について観測します。
「みお」は、同時に打ち上げられたヨーロッパ宇宙機関(ESA)の
水星表面探査機「MPO」と協力して、
地球型惑星の起源と進化について迫ります。
これからの「みお」の観測が、どのような新たな知見をもたらしてくれるのか
楽しみですね。