2014年頃から一昨年まで博物館周辺で続いたキアシドクガの大発生も、昨年には終息し、食樹であるミズキはしっかりと開花し始めました。
大発生のピークの年(2018年)は、花芽もろとも食べられて、開花を見ることはありませんでした。ただし、一部の枝の葉はこのように虫食いがあり、数はぐっと減りましたが、キアシドクガがいることがわかります。
そんな場所をよく探すと、若い葉が左右を上側で閉じて、袋状になっているものがあります。
これは、キアシドクガの脱皮室です。口から吐いた糸で葉の縁をつなぎとめて、このような脱皮室を作り、その中で脱皮をします。開けてみると、4齢でしょうか、キアシドクガの幼虫がいました。
博物館周辺では大発生も収まり、すっかりおとなしく“ふつうの蛾”となったキアシドクガですが、今年は神奈川県の北西側、山梨県南部あたりで大発生しているようです。また、博物館周辺もキアシドクガの食害で弱ったミズキの健康状態の悪化や、枯死は続いています。大発生の余波はしばらく続きそうです。