アブラゼミの羽化

博物館は8月6日から緊急事態宣言に伴う臨時休館となります。
8月5日夜、休館中に発信するウエブコンテンツ用に、博物館お隣の樹林地で夜の自然観察を行いました。主役はアブラゼミです。午後6時50分に羽化が始まっている幼虫がいました。歩道の柵のトラロープにとまっていてちょっと風情が無いのですが、撮影はしやすい位置です。この個体をロックオン!

背中が割れて羽化が始まったアブラゼミ

眼が出ました。

まっ黒くつぶらな眼をしています

みるみる胸部が現れます。

最初の写真からここまで約6分です

最初は重力を使って逆さの状態で殻を脱いでいきます。時折体をプルプルと震わせたり、腹部を前後にずらしながら脱皮が進みます。

落ちてしまわないかヒヤヒヤしますが、大丈夫

腹部の先の方まで進み、これ以上脱いだら落ちちゃう、というところで、おもむろに上体を起こして前脚で殻につかまります。すると、腹部の先がするりと抜けて、懸垂の状態になります。この間は動画を撮影していたため写真はありません。公開をお楽しみに!

腹筋運動のように上体を起こして前脚でつかまるところは動画で撮影してあります

頭を上にすると、次は翅(はね)です。これも重力に従って音もなく広がり、その数分の光景は羽化のクライマックスと言えます。

翅が見る見る伸びていきます

伸びきった翅は淡いコバルトブルーがとても美しく神秘的です。

翅が完全に伸びたら、乾くのを待ちます

これから夜明けまで全身が乾いて固まるのをじっと待ちます。無防備なこの時間に、ハクビシンやタヌキに食べられてしまう個体も多いことでしょう。夜が明けると今度はカラスに狙われてしまうので、その前には飛び立ちたいところです。生き抜いていくのは大変なことですね。

近くの樹液レストランには、ノコギリクワガタがいました。

ノコギリクワガタ(オス)

蚊の襲来に悩まされながらの撮影でしたが、見どころも多くて充実した観察となりました。観察の様子は近日中に動画配信しますので、しばらくお待ちください。

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