11月15日、いつも博物館をご利用してくださっている市民の方から、ハイイロゴケグモが持ち込まれました。市内中央区の田名地区で見つかったそうです。
すでに国道16号線沿いや、上溝地区などでは普通に生息するクモになっています。毒を持つため、噛まれると腫れたり発熱などの様々な症状が出ます。今のところ、市内では咬傷(こうしょう)被害は出ていません。セアカゴケグモなどと比べて攻撃性は低いと言われています。
特徴は、腹部上面(背中側)に並ぶ独特な斑紋と、下面の砂時計型の赤い模様です。
じつは、上面の斑紋はよく似た模様のクモがたくさんいるので、識別はちょっと難しいかもしれません。下面も生きた状態ではなかなか見られない位置なので、意外と識別が難しいクモです。
しかし、もう一つ、わかりやすい特徴があります。それは、卵のう(糸で包まれた繭状の卵の塊)です。こんぺいとうのような形をした白い卵のうは、直径が7~9ミリメートルほどの大きさです。このような卵のうはほかのクモでは見られません。
ハイイロゴケグモは、家に入って来ることはあまりなく、庭などにしばらく放置されているようなブロックや、植木鉢のすき間、パイプ状のものなどの中で生息します。こうした場所に上の写真のような卵のうがあったら、ハイイロゴケグモが生息している証拠です。
ただし、市内ではすでに広域的に生息しているため、駆除をしてもすぐにまた復活してしまうはずで、完全に駆除することはほぼ不可能と思われます。無理に触ったりしなければ噛まれることはまずありませんので、こうした生物とは適度な距離を保つようにしてください。