今年は紅葉の色づきが良くない、サクラは紅葉する前に散ってしまった・・。
そんな話を耳にします。確かに紅葉全般としては、温度が下がりきらないために色づきが良くないかもしれません。しかし、サクラはそもそも、色づきながら早々と散るのは例年どおりです。サクラの紅葉は、地面で楽しむものだと思っています。
ランダムに散らばった紅葉は1枚ずつがまったく異なる色合いで、一期一会の瞬間を楽しむことができます。不思議なのは、気に入った色合いの葉を集めて並べてみても面白くなく、手を入れず、そのままで画面を切り取った方がはるかに美しく見えることです。
地面だけではなく、よく見ると木々の紅葉も少しずつ始まっています。ひと足早い紅葉の代表格であるウルシの仲間、ヌルデがだいぶ色づいています。
つる植物のツタも早めに赤くなります。
こちらは逆光のミズキです。渋く色づいています。
博物館周辺にはありませんが、カキノキも見事に色づいています。山全体、谷全体を彩るような紅葉はまだこれからですが、身近なところでも、フォーカスしてみると案外紅葉を楽しむことができます。
(生物担当学芸員)
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