3月11日、博物館のまわりをたくさんのヒレンジャクが飛び回るようになりました。いくつかの群が分散して動いているようで、少なくとも50羽以上いました。ヒレンジャクの目的はこちらです。
ヤブランの果実を食べています。好物のヤドリギが無くなると、こうして地上に降りてヤブランをよく食べています。先日のブログで、コケをついばんでいる様子を紹介しましたが、ヒレンジャクはほかの鳥があまり気にも留めていないようなものを食べるようです。
ミズキの冬芽をつついているので何をしているのかと思っていくつかの写真を拡大してみると・・
舌で冬芽の付け根を舐めていました。写真をいくつか確認すると、上を向いた健全な冬芽よりも、削れたり、折れている冬芽を選んでいるように見えます。ほかに、枝の折れた切り口あたりも舐めていました。
どうやら、樹液を舐めていると推測できます。ミズキはその名のとおり、春先は傷ついた枝などから樹液をぽたぽたと垂らすほどなので、この季節はまさに瑞々(みずみず)しい状態です。若干ですが、糖分が含まれているはずなので、それを舐めているのでしょう。ミズキの枝を舐めるのは他の鳥では見たことがありません。
しばらくそんな行動を見せていたかと思うと、突如、博物館敷地内の水たまりへ集合しだしました。
代わるがわる飛び込んで水浴びです。夢中で水浴びをしている様子が微笑ましいですね。
絶えず「チリィーリィー」と細く小さな声で鳴き交わす鳴き声といい、鋭い顔つきのわりに、とてもかわいらしい鳥です。
(生物担当学芸員)
【博物館再開のお知らせ】相模原市立博物館は館内エレベーターの改修工事のため、令和6年2月29日まで休館しておりましたが、3月1日から通常どおり開館しています。3月のイベント情報など、詳しくはこちらをご覧ください。