アケビコノハの幼虫

博物館お隣の樹林地には、アケビのつるがたくさんあります。この季節、よくよくそのつるをたどって葉裏を探すと、こんなものがついています。

アケビコノハの幼虫 右側が頭で、体をUの字に曲げて頭を上に向けています

アケビコノハという蛾の仲間の幼虫です。どこがどうなっているのか、ちょっとわかりにくいですね。じつはこれは擬態のポーズです。葉を食べている時はこんな姿勢になります。それでも、眼玉模様はしっかり目立たせていますね。

頭を前に向けた状態のアケビコノハ

なぜこんな姿勢をするのか、わかりにくいのですが、周辺の葉を見ていると、同じような色と形に枯れた葉がたくさんついていました。

右上の枯れ葉のように擬態していることがわかります!

成虫は、前翅(まえばね)は木の葉そっくりで、後翅(うしろばね)は鮮やかなオレンジ色の美しい蛾です。

枯れ葉にしか見えないアケビコノハの成虫 後翅は隠れています (写真 藤井幹氏)

決して珍しい昆虫ではありませんが、幼虫も成虫も見どころ満載で、出会うととても嬉しい一種です。
(生物担当学芸員)

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 タグ: , パーマリンク