昨日に続き、当館を活動拠点とする各団体や、当館学芸員が活動に関わった学校等の学びの成果発表「学びの収穫祭」を開催しました。
2日目となる11月24日(日)のメインイベントは2つ。参加団体によるワークショップと、学芸員講演会です。
ワークショップでは、相模原縄文研究会と東京科学大学附属科学技術高等学校科学部がそれぞれ趣向を凝らした体験を用意しました!
相模原縄文研究会のワークショップは「縄文土器の模様をうつしとろう!」と題して、縄文土器の拓本(=土器の表面に施された文様を紙に写し取ったもの)に挑戦します。土器に紙を当て、ポンポンと墨を表面に押し当てていくと…土器の文様が浮かび上がってきました!さながら、気分は考古学者です。
東京科学大学附属科学技術高等学校科学部のワークショップ「かるた遊びで,君も はやぶさ2博士に!」では、かるた遊びをとおして小惑星探査機「はやぶさ2」の機能や活躍の歴史、進行中の新ミッション「はやぶさ2#」について学ぶことができる画期的な科学技術かるた「カルはや2#」を実際に体験します。はやぶさ2のプロジェクトメンバーが映像により読み手を務める豪華な内容で、参加者は読み句の絵札を取り合って大変盛り上がっている様子でした。
そして、午後には当館学芸員による学芸員講演会を開催しました。これは、発表者だけでなく当館学芸員も学びの収穫祭を盛り上げていこう!という趣旨のもと実施しているもので、各分野担当者が様々なテーマで毎年お話ししています。
今回は「勝坂に生きた縄文人」と題し、考古担当学芸員が本年に国史跡指定50周年を迎えた勝坂遺跡について熱く語りました。
勝坂遺跡は市内南区磯部にある縄文時代中期の遺跡で、勝坂式土器の標式遺跡として全国的な知名度があります。この重要性から1974(昭和49)年7月に国の史跡として指定されて以降、複数回にわたって追加指定されています。
本講演会では、勝坂遺跡と勝坂式土器の概要、発掘調査に尽力した大山 柏氏と岡本 勇氏の活動、縄文人が用いた石器、それらを活用した狩猟・食糧事情などの様々な視点から、市域を中心として縄文人が送った生活について解説しました。
地域や考古学に関心がある方、お友達と誘い合わせて参加された方などが来場され、講演後の質疑応答も活発に行われて、熱心にご参加いただけたことが伝わりました。
2日間にわたって開催したイベントは終了しましたが、各発表者が心を込めて設営した展示発表は12月27日(金)まで継続します。
みんなで調べて学んだ“収穫の成果”をぜひご覧ください。
(歴史担当学芸員)