11月26日、緑区のある林道へ、絶滅危惧種の調査へ出かけました。いくつかの種の生育状況が確認できたのですが、ちょうど花期にあたったのが、こちらのツメレンゲです。
県内では、相模原市内の数か所と、市外の1か所で自生が知られているだけの希少な植物です。多肉植物でちょっと特異な形をしています。1回咲きの多年草で、花が咲いた株は結実して枯れます。
この場所は林道の法面にたくさんの株があり、開花株も多く見られました。ただ、とても崩れやすい場所のため、このところの台風の頻発や集中豪雨による土砂崩れで一気に生育地が失われる可能性があります。引き続き状況を見守りたいと思います。
近くでは、カラスザンショウが黒紫色の果実をつけていました。
メジロなどが好んで食べるのですが、人間の味覚からすると刺激が強すぎて、口の中が痺れます。メジロは平気なのでしょうか・・。ところで、カラスザンショウは幹に残る、葉が落ちた痕(葉痕)がとてもかわいいのです。
枝がにっこり笑っているみたいですね。
さらに近くにはクサボタンの果実が実っていました。
周辺からは時折鳥の声が響いていましたが、晩秋の静かな林道歩きとなりました。
(生物担当学芸員)