アリの巣の近くに

カタクリの自生地をめぐる調査(ブログ記事)のさなか、足元に転がっている朽木にたくさんのアリがいるのを見つけました。

クサアリのなかま

何という種(しゅ)のアリかは調べていませんが、クサアリのなかまに見えます。
どうやら近くに巣があるようです。
アリたちの回りをよく見ると、面白い昆虫が2種見つかりました。

まずは、こちらの茶色いひょうたん型のもの。

マダラマルハヒロズコガ

これは、マダラマルハヒロズコガという小さな蛾の幼虫が作ったケースです。
中を開けてみることはしませんでしたが、ミノムシの蓑のようなイメージで、中に幼虫が隠れています。

次に見つかったのはアリヅカムシの一種です。

アリヅカムシのなかま

アリヅカムシのなかまはカブトムシなどと同じコウチュウ目に属しますが、体長が数ミリ程度ととても小さい昆虫です。
今回撮影した写真をアリヅカムシのなかまの専門家に見てもらったところ、写真の個体はツノアリヅカムシ属(Basitrodes)の一種であろう、と教えてもらいました。

アリヅカムシのなかまの一部の種は、その名のとおり、アリの巣と深いかかわりのある生活をしています。このようにアリとのかかわりの深い昆虫は、「好蟻性昆虫(こうぎせいこんちゅう)」と呼ばれています。
足元のアリの巣の回りのミクロな世界も、観察するととても面白いです。
(動物担当学芸員)

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