金星が

夕方過ぎの西天に、ひときわ明るく輝く星を見つけられます。
これは宵の明星“金星”です。
清少納言の随筆『枕草子』では、夜空を彩る美しい星を「星はすばる。ひこぼし。ゆふづつ。・・・」と記しています。“ゆふづつ”が宵の明星“金星”のことです。また、西洋では愛と美の女神ビーナスに例えるように、洋の東西を問わず、その輝きは人目をひくほどのまばゆさで、神々しささえ感じるのではないでしょうか?
この金星ですが、4月30日にマイナス4.5等の最大光度になり、5月13日ごろまでの間は、ほぼ同程度の光度で光り輝いています。
天体望遠鏡で観察してみると三日月形をしています。当館の15cm屈折望遠鏡のアイピース(接眼レンズ)のところに携帯電話のカメラを近づけて撮影してみると、こんなすがたです。
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天体を見なれた人であれば、昼間の青空にポツンと極小の白い点を肉眼で見つけることができるほど明るくなっています。ぜひ挑戦してみてください。
ちなみに、日が暮れた20時過ぎに金星のちょっと上に注目してください。おうし座で2番目に明るく牛の角先で輝いている星、エルナトを見つけられるでしょう。
(天文担当 有本)

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