昨日までのJAXA特別公開も終わり、博物館もふだんの夏休みの雰囲気に戻りました。前庭のクヌギの樹液を吸いに、ちょっと目立つチョウが集まっていました。
アカボシゴマダラです。きれいなチョウですが、残念ながら外来種です。
ところで、このところクヌギの木の下にはこんなふうに枝がぼたりと落ちています。一つや二つではなく、かなりたくさん、同じような長さの枝先ばかりです。
そして必ず、その枝には若いドングリがついています。
さらにそのドングリをよく見ると、決まって穴が開いています。
ひとつそのドングリを拾ってきて穴の近くをすぱっと切ってみると・・
真珠のような卵が一つ。
これはシギゾウムシのなかまの卵と思われます。母虫が長い口吻をドリルのようにして穴をあけ、中に卵を産み付けます。すると、ドングリのついている枝を口吻で切り落とします。ドングリの中でふ化した幼虫はドングリのゆりかごの中で中身を食べながら成長し、さなぎになる前にドングリに穴を開けて出てきます。そして土にもぐり、さなぎとなって成虫へ・・。成虫でも1センチに満たない虫が、こんなふうに樹上と地中をダイナミックに利用しているんですね。
(生物担当学芸員 秋山)