今週降り続いた雨の影響、特にカワラノギクの保全圃場のようすを見に、相模川の河原へ行ってきました。
河原へ下りる道にはヒガンバナが咲き始めていました。
河原が一面冠水したものと思って行ったのですが、あまり増水しなかったようです。上流のダムの放水量がそれほど多くなかったということでしょう。
水際の一部がまだ水に浸かっていたものの、高水敷は流れの痕もなく先週までとほとんど変化がありませんでした。
カワラノギク群落のような河原特有の植生の場合、数年に一度程度は水をかぶって砂礫もろとも流されることが必要です。そうして植生遷移が振り出しに戻り、肥沃な土壌が堆積したところに群落が再生します。人間にとっては脅威となる大雨による河川の増水ですが、自然界ではそれも生態系の中に組み込まれている事象なのです。
帰りに、カイコのためのクワを採って帰ろうと枝に手をかけると、ヤブツルアズキのつるに花が咲いていました。
栽培のアズキにもっとも近い野生種と言われています。
気温はともかく、いつの間にか秋になりました。
(生物担当学芸員 秋山)