ヒルガオ科のご紹介もクライマックスに近づいてきました!(勝手に盛り上がっていますが・・)
今回はマルバアサガオです。
あれ?これアサガオ!?
そうなんです。本種に限らずアサガオのなかまで時折見られる「切れ咲き」という変化咲きの一種で、栽培下でもよく見られます。たいてい、付近の花がまとまってこんなふうに変化しています。
アサガオは江戸時代から断続的に大ブームが巻き起こっている園芸植物です。今、入谷の朝顔まつり(朝顔市)は比較的オーソドックスな鉢植えの販売が中心ですが、かつて、地元の栽培業者が競ってこうした変化朝顔を高値で取引していたそうです。
ちなみに、上の写真のような切れ咲きなどは変化朝顔の初歩の初歩で、珍しくもなんともありません。本格的なものになると幾重にも変化が重なり、ほとんどアサガオの原型をとどめていないようなものもあります。
さて、横道にそれましたが、オーソドックスなマルバアサガオはこちらです。
西洋系のアサガオとして園芸用に持ち込まれたものと考えられていますが、野外で雑草化しているのもよく見られます。名前がマルバアメリカアサガオと紛らわしいのですが、やっぱりここは萼片の形を見てみると・・
短く切れた萼片と、何よりこの独特の色合いが特徴です。
紅色から濃い青、紫までバリエーションがありますが、いずれも濃厚な色合いに曜(花弁に放射状に入る5本の筋)が同系色で妖しい雰囲気を醸し出しています。秋咲きで、10月下旬まで花を楽しめます。
(生物担当学芸員 秋山)