今日は休館日ですが、カイコに休みはありません。8月下旬から育ててきた小石丸やそのほかの在来原種のカイコも5齢になり、まもなく熟蚕になりそうです。
からだがなんとなく透き通りはじめてきました。
ところで、ちょっと遅れて育て始めた品種に乞食というのがいます。なんとも書くのが憚られるような名前ですが、品種名なのでしかたがありません。
この品種は黄色いくびれ繭をつくるそうです。中国原産品種には黄色い繭が多いのですが、在来品種では珍しいですね。その色を「金色(こんじき)」としたところから転訛したそうですが、なにもそんな名前に転訛しなくても・・と思います。そして、中国原産品種には眼状紋のない、いわゆる「姫蚕(ひめこ)」が多いのですが、この乞食も姫蚕です。
全体的に色も少し黄色っぽい感じがします。
一方で、小石丸×青熟という交雑品種も育てていますが、こちらは眼状紋も三日月紋(背中に出る三日月形の紋)もとてもはっきりしています。眼状紋は原種のクワコそっくりです。
カイコを育てていると、いろいろと小さな発見の連続です。
(生物担当学芸員 秋山)