多摩川の河原を歩く

今日は相模原植物調査会の野外調査会でしたが、いつもとちょっと趣向を変えて、多摩川の河原の植物と植生を観察しに行きました。

私たちの主要なフィールである相模川中上流に一番近い地域を流れる大河川なので、相違点などを知ることは大切です。時折こうして他地域へ行ってみるようにしています。
小田急線和泉多摩川駅から歩いてすぐの左岸(狛江市)は、昭和49年の大水害の現場です。

名作テレビドラマ「岸辺のアルバム」(山田太一脚本)のモデルとなり、社会に大きな衝撃を与えた水害でしたが、今は「多摩川決壊の碑」が静かに事件の記憶をとどめています。
さて、やはり大都市に隣接した河川です。数多くの外来植物を観察しました。でも、相模川ではまだ見られていないもの、数がとても少ないものがあり、みなさんとても興味深そうに歩き回りました。写真はヒメクマツヅラです。県内ではまだ多摩川以外の河原で見つかっておらず、相模川では見られない外来植物です。

こちらは時折市内の相模川でも見られる外来植物ヤノネボンテンカです。

外来種ではありませんが、左のカヤツリグサのなかまはカンエンガヤツリです。相模川にはなぜか分布していない植物です。右は外来種のメリケンガヤツリで、ご丁寧に並んで咲いていました。

晴天であればバテてしまったのではないかと思いますが、幸いにも雨にはならない程度の曇り空、たくさん歩いて帰途につきました。そして、相模川とは微妙に異なる植物のようす、とても参考になりました。
(生物担当学芸員 秋山)

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