今年は博物館の前庭で色々なクモに出会います。
写真はクロマルイソウロウグモと、同じ網(既に壊れていたので何の網かは不明)で採集した卵のうです。
アップにしてもただ黒いだけ。
体長はメス3mm、オス2.5-3mm(写真はメスです)と小ぶりですが、自分では網を張らず、ヒメグモ、カグヤヒメグモなどの網に侵入、宿主を襲って食べてしまう、という習性を持ちます。
さらには、宿主の卵のうの近くに待機し、出のうしてきた子グモも平らげてしまうという極悪非道ぶりには開いた口がふさがりませんが、それも長年の進化の過程で培われた生き物のひとつのあり方ですから、肯定も否定もするものではありません。
というわけで、今一緒に写っているのは自分の卵のうではありません。
どうやら博物館の庭ではまだ見かけた事がないシロカネイソウロウグモの卵のうのようですが、こちらはジョロウグモなどの網に侵入し、餌をかすめ取るという、比較的穏やかな(?)習性のイソウロウグモの仲間ですが、どうやら最後にとんでもないやつに目をつけられてしまったようです。それにしても、敷地内にまだまだ色々な種類のクモがいそうで、今後の観察が一層楽しみになってきました。(学芸班 木村)