すでに終了していますが、もう少しバンディング調査(鳥類標識調査)の話題を。
野鳥の観察はたいてい、双眼鏡越しです。小鳥の場合、視野の一部に体全体が入り、その行動を観察することになります。身近な野鳥の中でも人気の高いシジュウカラは、そのたくみな枝移りや細々した動作がとてもかわいらしい鳥です。
ところが、バンディングで捕獲をしてみると・・
なかなか攻撃的な表情です。そして事実、とても痛い・・。えさ台のヒマワリの種子を器用につつき割って食べる姿を観察することも多いのですが、その勢いで調査者の手をつついてくれます。かわいい印象は吹き飛びます。
そして、間近で見ると意外と怖い顔をしているメジロ。
虹彩部分が大きく、瞳孔が小さめだからでしょうか。目の周りの白い縁取りが目立つので双眼鏡レベルではとてもかわいらしいのですが、手に取ってみるとそうでもありません。
さて、間近で見てもとろけてしまいそうなくらいかわいらしい鳥もいます。ヒタキのなかまはその代表例でしょう。写真はジョウビタキのメスです。
メスは、鮮やかな色合いのオスと比べると地味なのですが、よく見ると尾の両側はオレンジ色だし、なにしろ顔はシンプルながらぱっちりお目々がたまりません!
オスはこちらです。双眼鏡で見ているとちょっと精悍に見えますが、間近だとやはり顔の中で目の比率が大きいせいか、愛嬌のある顔つきです。
そんなことも楽しみながらのバンディング調査ですが、こうした写真は必要最小限の記録写真として撮影しています。鳥たちへの負荷をかけないよう、注意を忘れずに扱いました。
(生物担当学芸員 秋山)