通勤途中の道端で、目立つことも無くひっそりと咲いている植物のひとつ、ナガエコミカンソウ。
長い名前ですね。多くはコンクリートの隙間や植込みの隅っこに高さ10~20センチくらいの高さで開花結実します。こんな感じです。
雄花は花弁もおしべもありますが、なにせ直径2、3ミリ。しかも葉の下に垂れ下がって下向きにしか咲きません。
雌花はほとんどめしべだけ、こちらも大きさ、咲き方ともに雄花と同じようなものです。
かろうじて、名前の由来となっている果実がかわいらしく実りますが、やはり下向きに垂れ下がり、直径3ミリほど。相当無理な姿勢で覗かないとよく見えません。
ちなみに、こういう目立たないけどよく見ると妙な形の植物体が多いことで知られるトウダイグサ科の植物です。ミカンのなかまではありません。
観察会などで改めてご紹介すると「かわいい!」と人気ですが、ふだんは気付かれることもなく、人知れず咲いていつのまにか結実、その後枯れて消失する一年草です。
(生物担当学芸員 秋山)