地層観察出前授業

今日は地層観察の出前授業を行いました.

市内の小学生に相模原市緑区名倉で見られる地層を観察してもらいました.ここでは,礫や泥,細かい軽石が降り積もってできた地層や礫岩がみられます.

細い急な山道を下り,途中からは小さな川を遡って,地層が見られる場所までたどり着きます.川沿いには道がついていないので,川の中を歩いたりします.

はじめに,礫層,泥層,軽石層を観察しました.これらの地層は約10万年前に形成されたもので,軽石は御嶽山が約10万年前に大噴火したときに,相模原まで飛んできたものです.この軽石層は今年の夏に博物館実習生と一緒に剥ぎ取り標本を作成した地層です.

交代で地層に近づいて観察しました.

実際に触ったり,

虫眼鏡を使ったり,

写真を撮ったり,

皆さん,楽しそうに一生懸命,観察していました.

試料の採集も行いました.

約10万年前の地層の次は,約500万年前の礫岩を観察しました.

天気は快晴で,気持ちよく観察することができました.

「500万年前の地層に出会えるなんて奇跡」との感想がありましたが,まさにその通りです.地球上のすべての時代の地層や岩石が残されているわけではなく,現在,私たちが見ることができるのは,そのわずか一部分だけです.野外で見られる地層や岩石は,地球の歴史を伝えてくれる貴重な証拠です.

(地質担当学芸員 河尻)

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