大晦日

今年も大晦日となりました。博物館は28日から年末年始休に入っています。
お正月の食材のタラバガニを見ながら、先日ネット上に出ていた記事を思い出しました。

カニと呼んで食べているけれど、食べている部分の脚がハサミを含めて4本。ということはカニのなかまではなくて、じつはヤドカリのなかまだという記事でした。
生きもの屋の中ではあたりまえの常識が、じつは世間一般ではトリビア的な話題になるのかという生きもの屋の世間ズレを感じさせられました。
ほかにも、宮中晩餐会などでよくメニューに上がる「燕の巣のスープ」。日本でツバメの巣といえばふつうは泥で作られたアレです。泥水のスープ?いやいや、料理に使うツバメはアナツバメの巣で、唾液分泌物のタンパクでゼラチン状に固まったものです。日本の種類ではアマツバメに近いものです。ツバメとついていますが、アマツバメとツバメは系統分類的にはまったく異なる分類群に属します。
ほかにも、ひょろ長く異世界の生きもののようなコウガイビル。数十センチにもなるこんなヤツに血を吸われたら・・と恐怖におののく人もいますが、コウガイビルはプラナリアのなかまで、血は吸いません。
だんだん大晦日にふさわしくない方面に向かってしまうので、このへんでやめておきます。

昨日の朝、高速道路を走っていたらきれいな光芒が出ていました。
年末年始も自然観察のネタを探しながら過ごしたいと思います。
(生物担当学芸員 秋山)

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