生きものミニサロン 花粉を見てやるゾ!

今日は毎月恒例の「生きもの大好きミニサロン」を実施しました。
お題は「スギの花粉を見てやるゾ!」マスク姿が急増していることからわかるとおり、今年もスギ花粉が飛散中です。公用車のフロントガラスを絵筆でなぞって花粉を採集。

スギ花粉は、じつはまだ数がそれほど多くなくて見つけにくいため、ちょうどお隣の樹林地で咲き始めたタンポポの花も採集しました。

この場所に咲くのは、多くが在来種のカントウタンポポです。

ところが、姿のそっくりな雑種(在来種×外来種)もあり、特に咲き始めの時期は外見ではわかりません。そこで、花粉を見て識別します。
実験室で顕微鏡観察。

この写真は今日撮影したものではありませんが、スギの花粉はまん丸におへそがぽちっとついているのが特徴です。数粒ですが、無事に観察できました。私も含めて花粉症の人にとっては「かたきをじっくり見てやるゾ」という気分です。

タンポポは、こんな感じでした。粒ぞろいです。詳しい説明はまた機会を改めますが、花粉が粒ぞろいなのは在来種のカントウタンポポの特徴です。

倍率の違う写真を使っているのでスギとタンポポの花粉の大きさが違って見えますが、実物はだいたい同じくらいの大きさで、40マイクロメートル(0.04ミリメートル)くらいです。ただし、スギ花粉は風で飛ぶ風媒花粉なので花粉症の原因になりますが、タンポポは表面がべたつく虫媒花粉なので、風で飛びません。そのため、花粉症の原因にはなりません。そんなお話をしてしめくくりました。
次回は3月26日(土)12時からです。来月はもうたくさんの野草を観察できることでしょう!
(生物担当学芸員 秋山)

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