今朝の通勤途中、博物館お隣の樹林地を歩いていたら目の前の木の枝に小さなかわいい姿が。2羽でつがいのようです。
コンパクトデジカメで撮ったので画質がとても悪いのですが、それでも小さめの大福餅くらいしかない体の鳥を形や色がわかるくらいに撮れていますから、どれだけ近くにいたかがわかります。それもそのはずで、1羽が懸命にお仕事中。
おそらく蛾の繭かクモの卵のうをつついて、中から糸くずを取りだしています。
最後は体重をかけて引っ張り出します。といっても、わずか10グラムに満たない体ですからそう簡単ではありません。必死に取り出しています。
なぜこんなことをしているのかというと、巣材集めです。エナガは比較的早く繁殖を始めますが、いま、巣作りの真っ最中。小さな体に似合わずソフトボールくらいの大きさの、コケや地衣類を塊にして巣を作ります。内部にはびっしりと鳥の羽根を使い、ふかふかまん丸の巣です。その巣材をつなぎ合わせるために、クモの糸や蛾の繭からとった糸、獣毛などを絡ませるのです。
この間、30秒ほどだったでしょうか。忙しそうに飛び去っていきました。
(生物担当学芸員 秋山)