雨の中、半日だけの野外調査でしたが、雨ならではの出会いがありました。
草陰で大きな体を隠したつもりになっている、アズマヒキガエルです。
段丘崖に近い道路沿いに出てきていました。こちらはなんと、抱接しています。
まわりには複数の抱接個体がいたのですが、雨の中とはいえ、さすがに昼間こんなところをたくさんのアズマヒキガエルがうろつくのはちょっと変です。
うろついているあたりをよく見回してみると、どうやらその中心はつい最近造成した感じの地域の施設がありました。おそらく、この付近に池があったのでしょう。いまある近くの水辺と言うと、住宅の脇を流れるU字溝の水路です。これでは落ちても上がれません。おまけに結構自動車の往来のある場所なので、危険です。しかたないので、近くの谷戸の水場へ運びました。
あまり人為的に移動するのはよくありませんが、人為的な原因で繁殖が阻害されているのを見過ごすのもよくないと判断しました。直線距離にして数百メートルの場所なので、じゅうぶんアズマヒキガエルの移動距離内です。その場所にはすでに・・
数日前に産んだと思われるアズマヒキガエルの卵紐(らんちゅう)がありました。
雨のご褒美かどうかわかりませんが、昼間、アズマヒキガエルの抱接個体と出会えてちょっと嬉しい日となりました。
(生物担当学芸員 秋山)