博物館の駐車場ではいま、ちょっとした騒動が起きています。それは、黒地に黄色の模様の毛虫が大量にうごめいているからです。
そのようすはちょっとブログに掲載するには忍びないので・・・フェンスにはりつくこんなようすを。
お嫌いな方には同じことですね。
これは、キアシドクガという蛾のなかまの幼虫が蛹になったところです。幼虫がうごめいているのは、蛹になる場所をさがしているところなのです。
これから蛹化しようという個体もたくさん。
ミズキの葉などを食べ、都市部の大きな公園でも大発生し、だいたい5年くらいで終息することが知られています。博物館周辺でも4年ほど前から目立つようになりました。ドクガとつきますが、毒はありません。しかも成虫(昨年の写真)はこんなにエレガント!
これだけたくさんの幼虫がいるということは、2週間後くらいには一斉に羽化してたくさんのキアシドクガの群飛が見られます。
この蛾がミズキ林の中を飛ぶようすは、まさに夢幻の世界です。私は通勤途中などに朝日に照らされる群飛を見ると、幻想交響曲(ベルリオーズ作曲)の第三楽章が浮かんできます。オーボエのソロから始まり、弦が加わってしだいにうねりを増し、遠景に遠ざかるように消えゆくメロディー。
月末ごろがピークでしょうか。待ち遠しい反面、この大発生も今年か来年で終息を迎えそうで、ちょっと寂しい気もしています。
(生物担当学芸員 秋山)