とにかく山に登れば見るべきものがわんさかあります。ここまで3回に分けてアップしてきた北八ヶ岳シリーズも、きりがないのでこれで最終とします。脈略無く写真を挙げていくと・・
初日、大雨の中で出迎えてくれたイチヨウランです。
これでもか、というくらい降っていましたが、途中でこういう植物が出迎えてくれて、なんとか登り切りました。
ベースにした黒百合平に咲いていたミヤマクロユリ。梅雨の時期にがんばって登らないと花は見られません。
黒百合平と言うものの、今、北八ヶ岳のミヤマクロユリはシカの食害を防ぐために立てられた植生保護柵内のエリアでしか見られません。
高山には野鳥の数は多くないのですが、亜高山から高山を代表する鳥であるイワヒバリ。重たい望遠レンズをちょっとムリして持っていったかいがありました。
そして、ホシガラス。
ほかにも、東天狗岳山頂付近で強風をモノともせずに飛び回るアマツバメ(速すぎて撮影できず)や、チーリリーと体の大きさにぴったりのかわいい声で鳴きながら、シラビソの枝先を動き回るキクイタダキ(暗すぎて撮影できず)などにも出会いました。
高山性スミレの代表格、キバナノコマノツメ。
苔むす樹林だけが北八ヶ岳の景観の特徴ではありません。その名の通り、この世とは思えない不思議な風景が広がる賽の河原。オベリスクのような柱状の岩が不自然に突き刺さっているのも、天の作為を感じずにいられません。
青空をバックにするとこのように清々しい雰囲気ですが、巨大な石に覆われた斜面を舐めるように、下から濃霧が強風で吹き上げられる光景はなかなかの見物でした。
そして、これまた不思議な人々。こんな絶景の中、景色そっちのけで動物のフンを見つけて大喜びし、臭いをかいだり、中身(何を食べているのか)を観察しています。さすが!相模原動物標本クラブメンバーの鑑です。
信頼できる若いメンバーとの、楽しすぎる山行でした。下界の暑さに負けそうになると、山の上の冷涼な空気を思い出してやりすごす毎日です。
(生物担当学芸員 秋山)