前の記事で予告したとおり、今日の生きものミニサロンはタイトルも「行き当たりばったりの自然観察」でした。
小さいけれど、すごくきれいな花のハエドクソウや、
アキノタムラソウなどを虫めがねで観察して、
モグラ塚の穴をさがしたり。行き当たりばったりと言いつつ、一応準備しておいた紙を配って、タケニグサの草汁でお絵かき。
「何をかいてくれたの?」
「○○くん!」
○○君は一緒に来たお友達だそうです。
そして最後は、参加者のお一人のお父さんが見つけてくれた、カブトムシの死体の観察。正確には、カラスの食痕です。頭だけを器用にはずして胴体だけ食べるのは、カラスの得意技です。
お子さんたち、ものすごく興味を持ってくれて、かわるがわるみんなで持って眺めていました。残酷、というより、ナマの食痕を見るとカラスの嘴の器用さとかグルメに想像力が働くのがフシギです。
折しも前日から「Pokémon GO」が配信され、博物館周辺でもたくさんの人がスマホ片手に歩いています。AR(Augmented Reality=拡張現実)の技術と組み合わせた発想はすごいし、キャラクター造形が緻密で丁寧なポケモンは、私自身かなり好きです。でも、こうして足しても引いてもいない現実の奥深さを目の当たりにすると、自然観察ってこれからますます重要な科学教育の分野になるなあと、ちょっとだいそれたことを考えてしまいました。
(生物担当学芸員 秋山)