今年も道端でこの花が目立つ季節になりました。
アメリカオニアザミです。近年、急速に分布を広げつつある外来種です。春に野辺で咲くノアザミやキツネアザミなどと同じように、全草にトゲを持つのはアザミに共通の特徴です。しかし、このアメリカオニアザミのトゲはハンパじゃありません。
そもそも大きな草丈に、たくさんの葉や花をつけて株立ちします。放置しておくと、直径1メートル近いトゲの塊ができあがります。そして、アザミはキク科なので、たくさんの種子を風で飛ばします。
私自身は、いたずらに外来種を悪者扱いすることには否定的です。無節操に持ち込んで多くの外来種を悪者にしたのも、そもそも環境を改変して在来種を追い出したのも人間自身だからです。
でも、人間と外来種との軋轢を未然に防ぐこともまた必要で、アメリカオニアザミは幼植物の間に抜き取っておく必要があります。大きく育ってからでは、トゲに対して相当な防護対策をしないとケガをします。私もうっかりしてロゼット(越年葉)の写真を撮り忘れていて説得力が無いのですが、とにかく道端の怪しいトゲトゲは、小さい内に抜き取っておきましょう!
(生物担当学芸員 秋山)