先日、このブログでアザミ注意報を発令しました。今回はテッポウ注意報です。
なんて物騒な!でも、この植物の名前なのでしかたありません。今朝、博物館の前庭に咲いていました。
シンテッポウユリという外来植物です。テッポウユリとタカサゴユリをかけ合わせた園芸植物と言われていますが、形質がばらついているのでもはや園芸的なコントロールを外れ、どんどん野外で繁殖を繰り返しているのでしょう。天然の植物ではないことは確かです。
しかし、見た目も清楚な美しい植物です。芽生えて伸びてきても、なんとなくありがたい花が咲きそうな雰囲気があるため、抜かれずに家々の庭先や垣根沿いにぽつぽつと広がっています。わざわざ植木鉢へ植え替えてあるのもよく見かけます。
でも、この時期たとえば高速道路の法面などを注意して見ていると、このシンテッポウユリだらけになっている場所がたくさんあります。放っておくとそこいらじゅうに広がります。博物館に咲いたこの株も数日前に伸びているのを見つけたのですが、花の写真を撮ってから、ということでとりあえず監視していました。今朝、咲いたので抜き取り、標本にしました。
この植物も、甘く見ない方がよいものです。無害なようですが、無節操にはびこってしまうのは避けたいので、博物館の敷地からは排除していこうと思います。
(生物担当学芸員 秋山)