最後の養蚕を語る

今日午後は、大会議室で養蚕講話5回シリーズの4回目として、「最後の養蚕~市内の養蚕事情~」 が行われました。
講師は、津久井地区最後の養蚕の当事者である緑区根小屋の菊地原稔さんです。

大雨洪水警報が発令される中でしたが、熱心な聴講者のみなさまにお集まりいただきました。菊地原さんは津久井町史編集委員でもあり、当館では展示や現地調査などさまざまな形でご協力いただいている方です。

現在、特別展示室内で展示されているミニ展示「最後の養蚕」も菊地原さんが平成22年秋に行った県内最後の養蚕のようすを記録したものです。
講義の合間の休憩時間にはカイコに繭を作らせる「まぶし」の歴史的な変遷がわかる実物資料を前に、多くの質問が飛び交いました。

伝統産業である養蚕の最後を見届けた当事者として、ノスタルジーだけではなく、農業経営の側面から「なぜ平成22年秋に県内で一斉に養蚕が最後を迎えたのか」という生々しいお話も伺うことができました。私も初めて耳にする内容が多く、大変勉強になりました。
(生物担当学芸員 秋山)

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