8月25日、木曜日.晴れ.
久しぶりに野外調査に出かけました.上野原市の鶴川沿いで礫岩の分布調査を行いました.
川に降りる道が見当たらず,藪をかき分けて川へ降りることを試みました.藪漕ぎすること約30分,川岸にたどり着いたものの,崖の上に出てしまい,降りることを断念.対岸に川へ降りる道が見つかったので,そちらから降りることにしました.暑い中の藪漕ぎでかなり体力を消耗しました.
川沿いは風も涼しく,気持ちよく調査ができました.
中央に「く」の字型に見えるのは砂岩脈です.周囲の礫岩に貫入したものです.大昔の地震による液状化の噴砂でしょうか.板状なのですが,えぐられるように削られているので,「く」の字型に見えます.
先日の台風で,人の頭のあたりくらいまで増水したようです.下の部分の川岸には草が生えていません.流されたのでしょう.そのおかげで砂岩脈が見えやすくなっていたようです.
川底がツートンカラーになっている場所がありました.
黄土色の部分は川底の礫が流されて,岩盤の礫岩が見えている場所です.水の中の写真なのでわかりにくいのですが,かろうじて礫岩と認識できます.
礫岩は2種類あるようです.写真下部の黄土色の礫岩を別の礫岩が不整合で覆っています.
不整合の直下には小さな礫しか含まれていませんが,もう少し下にはかなり大きな礫が含まれています.
初めの藪漕ぎはかなり疲れました.夏場の藪漕ぎは相当キツイです.川の中に入ってからは,それほど暑さを感じることもなく,快適に調査ができました.ただ,流れの速いところは膝くらいまで浸かっただけでも,気をつけないと流されそうでした.
(地質担当学芸員 河尻)