アマチュアの力

今日はこのお天気の良さではあるのですが・・昨日まで連日のバンディング調査の見返りとして、たまったデスクワークに追われています。
さて、二日前になりますが、毎年11月3日は日本野鳥の会神奈川支部の研究報告集「BINOS(バイノス)」の発表会が横浜で開かれています。BINOS第23号となる今年も一昨日開催され、最新号のお披露目の場となりました。

BINOSには私もボランティアとして編集に携わっていますので、バンディングの現場を離れてお休みをいただき、参加してきました。
トップバッターの方は、普段の調査スタイルをまずご披露してくださいました。

定年1周年を記念した発表、との言葉にセカンドライフの充実を感じさせてくれる人生の先輩です。この方は毎月、6カ所の定線センサス調査を続けておられるツワモノです。
相模原動物標本クラブのメンバーであるSさんも、アオダイショウに食べられたムササビについて発表しました。

アオダイショウもムササビも鳥ではありませんが、BINOSは生きものであれば、鳥が登場しなくてもOKなのです。
発表後の休憩時間は、Sさんが持参したムササビの骨格標本にみなさん興味津々です!

私も3本の論文に関わったので、ダイジェストしながらBINOSの存在意義についてお話ししました。トップバッターの方の労力もすごいものがありますが、たとえば今回の筆頭論文の著者の方は、一昨年から昨年にかけて75日間にわたり、出勤前の夜明け前後にマイフィールドで野鳥の声の録音記録を取り、そこからヒヨドリの体内時計についての考察を発表されました。なんという努力量でしょうか。査読誌ではないBINOSですが、こうした著者のみなさんの血と汗、エネルギーの投下量といったら、国際的な査読誌にも引けを取らないはずです。
地域博物館もアマチュアリズムが発揮されるべき場所だと考えているので、改めてBINOSのアマチュアパワーに大きな刺激を受けることができました。
(生物担当学芸員 秋山)

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