11月5日(土)に歴史講座の2回目として、室町時代の15世紀後半の「長尾景春の乱」に登場する磯部城への探訪を行いました。
磯部城は長尾景春の乱に際し、長尾方の城として史料に登場し、太田道灌の軍勢に攻められ落城したとあります。そして、城の本丸と伝えられる磯部の能徳寺や御嶽神社周辺には、ホリノウチ、キリドウシなど城郭関連地名が伝承として残っています。
また、三段の滝広場近くにある上磯部の土塁は磯部城の土塁とされ、平成9年の発掘調査では箱堀も検出されています。このように、史料、伝承、そして発掘調査によって確認されている城は市内では津久井城しかなく、磯部城は旧市域では唯一の確実な城といえます。あまり知られていないのが残念です。(悲)
午前9時に下溝駅出発し、相模川散策路沿いを歩き、上磯部の土塁、能徳寺、御嶽神社、常福寺、長松寺とめぐり、お昼前に無事に相武台下駅で解散しました。皆さんに、15世紀の中世城館跡を堪能していただけたなら幸いです。
次回は、歴史講座の最終日 愛川町の小沢城への探訪です。
(歴史担当学芸員 木村弘樹)