オンリーワンのホタルのはなし

今日は市内にある県立上溝南高校1年生に向けて、「生物多様性からみたホタルと相模川~田名望地のホタルはオンリーワン!」と題してお話をしてきました。当然ながら1人で行って話してきたのと、広い体育館の中で室内を暗くしていたため、写真はありません。
代わりに、講演で使った写真を。望地段丘崖です。

まずはじめに、「望地」の地名を読める人は?と質問をしました。数人手があがり、ちゃんと「もうち」と答えてくれました。望地から通ってきているそうです。そして次に「野生のホタルを見たことがある人は?」と尋ねると、1割もいませんでした。これはお話する甲斐があります。

ホタルの基礎的な生態や生息環境である相模原の河岸段丘などの内容を交え、さらに一番重要なこととして、生物多様性の観点で見ると望地のゲンジボタルがいかに重要なのかがわかる、というお話をしました。
40分の中に大学の基礎生物学レベルの内容も含んでいたので、ちょっと理解しきれない部分もあったと思います。しかし、上溝南高校で毎年実施しているという望地のホタル観察会に来年行った生徒さんが、「オンリーワンとか言ってたなあ・・」と思い出してくれればよいなと思います。

ところで余談ですが、この講義に向けて高校から出して頂いた派遣依頼文書という事務文書の差出人名である校長先生のお名前を見て驚きました。自分が高校時代に新任でいらした先生でした。直接受け持たれたわけではなかったのですが覚えていてくださり、昔話に花が咲きました。帰りがけに「秋山君、早口すぎるよ!」とピシッとご指導を受けたのも、先生の教育者としての愛情を感じて、なんだかとても嬉しい気持ちになりました。
(生物担当学芸員 秋山)

カテゴリー: 学芸員のひとりごと パーマリンク