博物館のまわりも紅葉が見ごろとなりました。
ヤマザクラが渋めの色合いで、地面をしっとり飾ります。
幹をまっすぐ登るツタ。下が朱色で、真ん中が黄色、上の方はまだ緑と、みごとなグラデーション。
中にはこんなシックな色合いも見られます。
きわめつけは、トウカエデ。いつ植えられたものかわかりませんが、博物館のお隣の樹林にはこの木がたくさんあり、中にはかなりの高木にそだったものもあります。さすがカエデ。その見事な紅葉は圧巻です。いま、隣り合ったトウカエデどうしで紅葉のタイミングが異なっているため、緑と朱のどちらが青空に映えるか、まるで競い合っているかのようです。
紅葉とは不思議なもので、落ち葉が美しいからと言ってきれいな色の葉を一カ所に集めたり、写真を撮ろうとちょっと配置や向きを変えたりするだけでも、とたんにつまらない構図になってしまいます。自然のままの、そのままがいいようです。
(生物担当学芸員 秋山)