桂川・相模川流域シンポジウム

昨日(11月27日)は緑区のソレイユさがみで第22回桂川・相模川流域シンポジウム「守ろう、つなごう かつら川・さがみ川の豊かな自然」(桂川・相模川流域協議会:主催、相模原市:共催)が行われました。

ちなみにこのプログラムの素敵な生きものイラストは、当館動物標本クラブのYさんによるものです。ポスターやチラシにも使われていて、生物多様性を合い言葉として行われたこのシンポジウムのテーマをわかりやすく、かわいらしく表現しています。
開演前の特別アトラクションでは、緑区の相州城山谷ヶ原囃子連によるお囃子と獅子舞が披露されました。

伝統芸能を幅広い世代の人たちがつないでいく姿に、会場から大きな拍手が送られました。
さて、第一部の基調講演は知る人ぞ知る昆虫マニアでもある養老孟司先生のご登場です。

養老先生は、お母様が津久井のご出身であり、昆虫の専門家として「津久井町史自然編」にもご執筆いただいているという相模原と深いつながりのある方です。ご講演は、おもしろすぎる!つかみ(ネタバレの可能性があるので中身は明かせませんが・・)で会場をガッチリ一つにして、米国大統領選挙の結果や英国のEU離脱といったグローバルな話題から生物多様性の核心へと切り込む話術に引き込まれ、あっという間の一時間でした。

第二部では「自然保護活動の報告 みんなの参加を実現するために」と題し、上流から下流に至る相模川流域での6本の活動事例報告が行われました(私はコーディネーターを務めさせていただいたので、写真はありませんが・・)。
ここでは、地元にこだわって地道な活動を続けるみなさんの楽しげな写真がたくさん見られました。養老先生の講演の中でも、人間が同一化しようとする「意識」に対して違いをとらえる「感性」のバランスが持続可能な社会を作るというお話がありました。理屈ではなく「地域を守りたい」という感性を大切にした活動が、つながりと広がり、そして継続のカギになるということをみなさんの発表から教えていただきました。
(生物担当学芸員 秋山)

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