博物館駐車場のヤマザクラが満開となりました。好みの問題ではありますが、青空が似合うのは、ソメイヨシノよりもヤマザクラだと思っています。ヤマザクラの桜吹雪の下に立つと、春爛漫のウキウキ感とはちょっと異なる、ザワザワとした不思議な感覚にとらわれます。まさに「桜の森の満開の下」(坂口安吾)の世界ですね。
さて今日(4月15日)は、相模原市環境情報センターが実施している自然環境観察員制度の環境学習セミナーを博物館大会議室で実施しました。最初に、桜美林大学リベラルアーツ学群の片山博文さんによる「ビッグ・ヒストリーと生物多様性」と題したご講演をいただきました。
これまでそれぞれの時間軸で語られることの多かった宇宙の歴史と生命の歴史、そしてその未来について統合して考えていくという非常に刺激的な内容のお話でした。生物多様性の概念にも深く関わるため、みなさんとても熱心に聴き入っていました。
そして、このセミナーを博物館で行った理由でもあるのですが、今年度から自然環境観察員制度の定期的な植物調査として、「花ごよみ調査」を毎月1回、博物館周辺の樹林で実施することになったのです。その第1回調査と調査ガイダンスを今回行いました。調査の説明の後、大会議室を出てお隣の樹林地へ。
主役はもちろん、この時期にしか見ることのできないフデリンドウです。
ただ、実際に歩いて見ると、ほかにもたくさんの花が咲いていることにみなさん驚かれていました。しゃがむだけで数種類の花が見えてきたり、木々の枝先にも目をやると・・・
アオキの雄花です。
ちょっと不安定な雲が出てきて、最後はぽつりぽつり降ってきた雨を気にしながらの調査になりましたが、たくさんの目でたくさんの春の花を確認できました。これから月1回調査を実施して、この樹林地の花ごよみを作っていきたいと思います。