博物館の職員の一人から「かわいらしいクモがいるよ」と、教えてもらいました。
「どれどれ」と見に行くと、ジョロウグモのメス。
館の中からよく見える位置に網を張っています。
あまりエサ条件が良くなかったらしく、かなり小ぶりの個体です。
でも、しっかり成熟していて、腹部背面の薄黄色と青灰色の模様や、腹部先端の赤い斑がとてもきれいです。
この色彩なら、卵を持っているでしょう。
しかし今の季節、まわりにオスはいません。おそらく、この寒さの中では体が動かず、産卵行動も難しいでしょう。
そして、残念ながら、ジョロウグモは越冬しません。
というより、この近辺では12月に入って見られる事自体が珍しいのです。
最近では、冬の寒さがあまり厳しくないせいか、この個体のように日当たりの良い場所に網を張って、年末近くまで生きている事があるようです。ごく稀にですが1月に見かけることもあります。
実は、冬が来るたびに「いつごろまでいるかな」と、ひそかに期待しているのですが、今年は急に寒くなったせいか、ジョロウグモの姿も一気に見えなくなりました。
毎日の通勤経路もちょっとさびしくなってきました。(学芸班 木村)
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プロフィール
神奈川県相模原市中央区にある市立博物館です。1995年に開館して以来、相模原の歴史や自然を扱う総合博物館として市民に親しまれ、2019年には入館者数が300万人を超えました。また、2010年7月には、小惑星探査機「はやぶさ」の、2021年3月には後継機「はやぶさ2」の再突入カプセルの世界初公開を行うなど、お向かいにあるJAXA相模原キャンパスとの連携も深めています。
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