博物館の駐車場周辺では、毎年のことながらこんな植物が目立ってきました。
古典的な(?)外来植物で、“雑草”のスタンダードと言えるヒメジョオンです。
でも、こんな花なら春からいっぱい咲いていますね。よく似ていますが、こちらは、ハルジオンです(チョウチョは、ウスバシロチョウです)。
春に咲くハルジオン(あえて漢字を充てるなら、春紫菀)と、初夏から真夏に咲くヒメジョオン(姫女菀)は、梅雨の初め頃には開花時期がオーバーラップします。見分け方は図鑑を見るといろいろ書いてありますが、一番わかりやすいのは、葉の付け根です。付け根が耳のように張り出して茎を軽く抱くのがハルジオン。
まったく抱かないのがヒメジョオンです。
そして、一見そっくりな花も、よく見ると違います。糸のように細い花弁ですが、ハルジオンの方がさらに細いのです。こちらはハルジオン。
少し幅広いヒメジョオン
図鑑では「ハルジオンの花やつぼみはピンク色を帯びることが多い」と書かれていますが、上の写真のようにヒメジョオンも花期の始めの方では結構ピンク色のものがあり、この見分け方はアテになりません(しかも初夏のハルジオンはほとんどピンク色になりません)。
そして、茎が中空(ちゅうくう=ストロー状)なのがハルジオンで、詰まっているのがヒメジョオンなので、茎をつぶすように押すとわかる、ともあります。でも、中身が詰まっているといってもスポンジ状の組織なので、ヒメジョオンも若い茎だと押せば簡単につぶれます。これは、ちゃんと切断面を見ないとわかりません。
こちらがハルジオン。
こちらがヒメジョオンです。
ハル(春)からヒメ(姫)へ、季節とともに植物も置き換わります。梅雨も本番となり、博物館のまわりでも夏の植物がどんどんと咲き始めていますので、またそちらもご紹介していきたいと思います。