6月4日頃までにふ化、そして5日から給桑を開始してきたカイコがいよいよ熟蚕となりました。熟蚕とは、クワを食べきって繭を作り始める状態になったカイコのことを言います。それまで、どっさりクワをあげても数時間でぺったんこになるくらいに食べ尽くしてしまっていたのが、今日(6月30日)はお昼に給桑したのが夕方、まだ山のように残っています。
なんとなく、体が黄色っぽいカイコが多いのがわかるでしょうか。そして、そんなカイコはだいたいのけぞって頭を振っています。
絵の具の白色のような色だったカイコの体が、少し黄色く汚れたようになり、サイズも少し小さくなっています。
右が熟蚕、左がまだ熟蚕になっていないカイコです。
博物館では、ダンボールを切って作ったまぶし(繭を作らせる部屋)へ移しますが、一部は展示用にこのようなまぶしへ入れます。
これは、小さめの食品パックです。こうすると、繭をつくるようすを観察することができます。
この方法、じつは当館のオリジナルです!ちょっとした工夫もあるのですが、それはまた後日詳しく説明いたします。
ところで、一足先に2週間ほど早く飼育していたものが今朝、羽化していました。
カイコの成虫です。まるでぬいぐるみ!かわいいですね。
これから明日にかけて、熟蚕を見極めてはまぶしへ移す作業に追われますが、これでカイコの飼育もラストスパートとなります。